二人称三人称縛り/固有名詞不可小ネタ
ツイッター投稿なので、ひと塊140字前後・若干修正済
設定:FF零設定パクリの「GEは死んだ人を忘れる」
ツイッター投稿なので、ひと塊140字前後・若干修正済
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厚手のグローブをはめて神機と腕輪を拾い上げる。
銃形態のまま放置されたところを見ると、どうやら持ち主は狙撃兵だったようだ。
咄嗟に盾が開けなかったのかなんなのか。
どんくさい奴。
それから一応、ご愁傷様、と呟いてから踵を返した。
「この神機の持ち主、チョコレート狂だったんだって」
「それで動きが鈍くて…ブッ…デブのゴッドイーターか、なんか間抜け」
「…ミt」
「俺は違う。ちょっと筋肉が柔らかかったりつきにくかったりする体質なだけだ」
名前を聞いてみるがやはり聞き覚えのないその神機の元持ち主をネタに盛り上がる。
自分もいつか“あちら側”になるのではないかという恐怖をほんのり抱きつつも。
そしてその日は概して予告なしにやってくるものだ。
小高い山のように馬鹿でかいアラガミに弾き飛ばされ、蹲って呻く。
口から出てきた赤い痰に震えが止まらない。
目は霞み始め、柄を握り直す手にはもうあまり力が入らなかった。
ひびが入ってゆがんだサングラスを投げ捨てて最後の気合いを振り絞った。
吹っ飛ばされる姿を目の端でとらえながらも何もすることはできない。
自分もこのアラガミのとどめから逃げまどい隙を探すことで手いっぱいだった。
褐色の肌と銀の髪にはいたるところに血がこびりついている。
アラガミの体液ではない、自分の血が。
怪我を負った瀕死のアラガミは逃げ去った。
勝つことができなかった。
その上自分たちも、もう動けないほどだった。
ぼやける意識の中、サングラスが無くてやたら眩しい世界を手で覆う。
なんとか隣に座る存在を感知できる程度だった。
「死にたくない」
悔しそうに泣いていた。
自分よりもいくらかひどい腹の傷からはとどめなく血が流れている。
「忘れてほしくない」
悲しそうに泣いていた。
隣に座って少し笑いかけて“忘れないから忘れないで”と呟きかけた。
自分の神機も誰かに拾われ
“こいつはアラガミを振りまわすとんでもないやつだったらしい”
と話のネタにされるのだろうか。
それも仲のいい誰かに。
そういえば、何故か最近、あまり喧嘩することが無かったなぁと思う。
前はしょっちゅう喧嘩して、それを仲裁されて、むくれて、それで、それで…
ふと、隣で眠るように目を閉じるゴッドイーターに気付いた。
死んでいる。
どうやら自分はこいつとミッションに出てしくじったらしい。
名前もわからないのに何故か涙が溢れだした。
ただこいつが死んで悲しいということ。
そして自分も死ぬんだということだけが解った。
咳をした喉が血で詰まってごぼごぼと音を立てた。
“この神機の持ち主達、未確認アラガミを2人で偵察に行ったんだと”
“もう、そんなふうに馬鹿にしちゃだめだよ。頑張ろうって思ってたんだよ、きっと”
“でもちょっと間抜けだよなァ”
“ふふ。俺達もそうならないよう、頑張ろうね”
“おう!頼むぞ衛生兵!”
“あ、それより、”…………
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